にぐちの日々と備忘録

地方でそこそこ楽しく暮らしてるにぐちが、考えてることを駄々流しにする場所です。ぐだぐだ考えてることを文字にしています。趣味は旅行と観劇。そうです、現在絶賛大打撃中。

ミュージカル「H12」に泣く

2016年に公演されたミュージカル「H12」。なぜ今頃この感想を…?と思った方もいるだろう。自粛の中で観劇予定が消し飛び、しょぼしょぼしながら推しの出演作を遡っていたら「H12」に出会った。hicoproさん、DVDにしてくれて、映像を残してくれて本当にありがとうございます。

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届いたDVDはこんな感じ

〈ミュージカル「H12」に泣く〉というタイトルだが、先に断っておくと、作品自体はどちらかといえばコミカルだと思う。カップル・夫婦たちが持つそれぞれのリアルな悩み、相談を受ける元カノ・元カレの的確な指摘、圧倒的声量で展開される音楽、プロジェクションマッピングも美しく、テンポよく話が進んでいく。また、いかにもお涙頂戴!要素がなかったのが非常に好みだった。(私が気づかなかっただけかもしれない。その場合は大変申し訳ない…)

私は映画でもドラマでも小説でも、恋愛をテーマにしたものがあまり好きではない。恋愛なんてそこらじゅうで起きている日常だ。日常のはずなのだ。なにかの抗争に巻き込まれたり、いきなり相手が病気になったり、世界を股にかける天才なんちゃらだったり、超絶イケメン・美女だったりは、ほぼない。うちはそうです、という方には、ぜひそのまま波乱万丈な人生を送ってね…という言葉を贈ることにして、少なくとも私はそんな恋愛をしている現場に立ち会ったことがない。非日常が楽しいのは分かっている。そんなことありえない、というありえなさを楽しむ方法も知っている。ただ、恋愛だけはなんか…最後がどんなものであろうとも、愛してる、とか、これが恋だったのねありがとう…みたいな主人公のセリフで、綺麗に終わらせられたりするのがどうもダメなのだ。「だって、君たちの人生はこれからも続いていくんだよ?」と言いたくなる。そんなこといったら現実的になりすぎて面白くないだろ?と言われそうだ。はい…ごもっとも。

でも、あったのだ。現実的なのに面白い恋愛のミュージカルが。それが私にとって「H12」だった。

1組のカップルと5組の夫婦が物語をつないでいく。待ち合わせはいつも決まった喫茶店。その喫茶店を経営するのは妻を亡くしたオーナーと一人娘である。それぞれがどんな設定かは見ながら「えー!」とか「あ~」とか言いながら楽しんでほしいので書かないが、本当にそこらへんにいそうなのだ。どこにでもいそうだけど歌はめちゃくちゃに上手いのでそこも聞きどころである。ミュージカルなのでいきなり歌いだすわけだが、感情爆発したときって心の中でこんなことしてるかもしれない…と私は納得してしまった。終盤まで激しく納得したり、共感したり笑ったりで忙しく、にやにやと観ていたのだが、突然涙腺崩壊した。それは喫茶店オーナーと娘の会話である。

ここだけネタバレになるが、要約するとこんな感じである。6組の恋・結婚模様を見てきた娘が、私も幸せになれるだろうか、と父に尋ねる。父は、なれる、私たち夫婦の子どもだからね、と娘に言う。この場面に至る前にもグッとくるやり取りがある。それを積み上げて上記のやり取りなのが効いているのだと思う。(ただしこのオーナー、聖人ではないのでそこもいい。)幸せになれるだろうか、結婚できるだろうか、はたまた”幸せな結婚”ができるだろうか。結婚しなくても幸せになれるこの時代にあなたと結婚したい…というのはゼクシィのキャッチコピーだったと思うが、そういう時代であることに間違いない。結婚のハードルも高く見える。「幸せ」はひどく抽象的で、どれだけあっても足りない気がする恐ろしいものである。でも、幸せになりたいと思うのはどんな時代でも共通なわけで…。そんな、悩みというか漠然とした不安を、私たち夫婦の子供だから絶対に幸せになれるよ、という一言が消し去ってくれた。何の根拠もないのに。オーナーとオーナーと娘のやり取りなのに。まるで私が言われたような気がして泣いた。ここに至るまで、娘のセリフ一つ一つに共感していたからだと思う。私の実態は、どの役よりも喫茶店の娘に近かった。

これ劇場でみたかった!!!と思いながらも、2016年にみていてもこうはならなかったな、と納得する。2020年の私が、今みるべき作品だった。そしてきっと、今後見返しても違う感想を持つんだろうと思う。例えば、4年後に見返したら、カップルの彼女に共感するだろう。6年、8年経ったら夫婦達にそれなー!とか言いながら見るのかもしれない。そしてまた、違う場面で泣くのかもしれない。

どうだろう、何歳からみてもいいと思うが、役と同世代になりえるのは大学生以上なのかな、と思う。将来に漠然とした不安がある20代以上、男女は関係なしに是非みてほしい。そして出演者の中に応援している役者がいる場合も、みてほしいと思う。役者ってすげえな、と再度認識する機会になると思う。そして演出と脚本も楽しい。基本、すべてが楽しい。

この作品をみた人がいたら、感想を教えてほしい。どんな感想を持ったのか非常に気になる。私は不覚にも泣いたけど(まさか泣くとは思わなかった)、笑いっぱなしだったという人もいるかもしれない。気になった方は下のリンクからどうぞ。

 

★ミュージカル「H12」ダイジェスト

youtu.be

★公演グッズ、DVDはこちらから

→hicopro official store https://hicopro.theshop.jp/

 ちなみにDVD1枚3,800円 しかも私が購入したときは送料無料でした

★全役ダブルキャストです

☆キャスト

飯野雅彦 鏑木信三 高原紳輔 寺元健一郎 山田宗一郎 吉田純也 飯野めぐみ 井坂茜 谷口あかり 舩山智香子 松山愛里 森山アスカ

◇キャスト

猪俣三四郎 加藤潤一 spi 田村良太 遠山裕介 宮島朋宏 木村帆香 杉山真梨佳 中村百花 水野貴以 山中美奈

 

お題「#おうち時間

お題「これ買いました」

カメラロールに日常はあるか

最近撮ったのは、パウンド型で作った固焼きプリンの写真。昨日の夜、名目上のGW到来に気が抜け、久しぶりに早めに帰宅して(と言っても21時過ぎだったが)、久しぶりにほろ酔いになったテンションで作ってしまった。プリンはカラメルの時点で失敗した思い出があって、これまで本格的なものは避けてきたのだが、酔った勢いというのは恐ろしい。なんだかんだ作ってしまった。一晩粗熱をとって、冷蔵庫で冷やして、ひっくり返したものが写真である。味はもちろん美味しかった。固焼きなのでおじゃる丸のようなプリンではない。作り方のリンクは一番下に貼ってあるので、よかったら参考にしてほしい。

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18cmのパウンド型使用

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甘めの仕上がりなので、深煎りのブラックコーヒーと一緒に



久しぶりにカメラロールを見返した。すると、4月の写真が異常に少ないことに気づいた。それもそうだ。だってどこにも行ってないんだから。この理由で納得してしまい、少し悲しくなった。いつから私は「どこかに行った時しか写真を撮らない」なんてことになっていたんだろう。

いつから旅行先に一眼レフを持っていかなくなったのか考えると、スマホの買い替えと一致している。進化が一目でわかるほど、スマホのカメラは進化し続けている。そして日常の情報を記録する役割を果たしていたスマホは、その役割に加えて、旅先での時間を切り取る役割も担うようになった。だんだん後者の役割が大きくなっていき、一眼レフは家で留守番させられることが多くなった。気づけばスマホのカメラロールさえ、旅先の写真しかないほどである。それに合わせて、私は次第に日常を撮らなくなっていた。以前は日常にもっとバリエーションがあったような気がする。黄昏時に電線と一番星が重なった銅版画のような空、雨は降る交差点に傘がぱらぱらと散らばる風景、綺麗に食べてそっくり残った魚の骨、ベランダでただアイスを食べる友人…特段どこに行ったわけでもなく、ただ毎日を過ごしていただけなのに、妙に鮮やかな写真が数年までのカメラロールには残っていた。今はどこかに行った時の特別な写真がほとんどだ。

芸術といえば、絵画、彫刻あたりがパッと浮かんでくるだろう。そこに写真が含まれることを、意外とみんな意識していない。写真家、フォトグラファーという職業が認知されてはいるが、こんなに気軽に写真を撮る時代に、写真が芸術だ、と言われてもピンとこないのが実態ではないだろうか。たしかに写真は機材があればだれでも撮れるものだ(芸術はすべて道具があればみんなできるものなのだが)。しかし、芸術にすることができる人はほんの一握りである。私は、どちらかといえば芸術として写真を撮る人間だった。タイトルがつけられるような、何かを感じてもらえるような、感想が浮かぶ写真を撮りたいと思っていた。勉強もした。でも、辞めてしまった。コーヒーと同じだ。「今のスキルでとりあえずは十分だ、このままでいい、好きに写真を撮りたい。」知っている。これは逃げなのだ。私は芸術としての写真をとること継続することができなかった。今は「写真を撮るのが一般人のわりになんかうまいと自惚れているヤツ」である。うん、自分で書いたくせに、かなり寂しい実態だ。

こういうと、勉強しろよ、と言われて終わりなきもするが、知識はひとまず置いておいて、なぜ、旅行先でしか、特別なことがあった時しか写真を撮らなくなったのか考えてみた。思い当たる節はいくつもある。出歩く範囲が小さくなったから、より固定化された日常を送っているから、忙しいから…どれも一因ではあると思う。でも、日常の一瞬に感動を覚えなくなっている、というのが主因だと感じる。そして、一瞬の感動を見過ごすほど、カメラを取り出せないほど(疲れている、というと結局それか、という感じだが)、自分をコントロールできていないんだろう、と思う。ある性格診断をしたら、ストレス耐性:「ひ弱」という結果が出た。ひ弱か…となかなかショックを受けた。ここ数年、自分は打たれ強いと思って生きてきたのだが、周りからはメンタルが弱い、と言われ続け、なんでこんなに齟齬があるんだろう、と思っていたところだった。そうか、私は強いと思い込むことで自分を保っているメンタルひ弱人間だったのか!!!とその結果を見て悲しくも納得した次第である。確かにカメラロールが旅行先で埋め尽くされるようになった時期と、格段に忙しくなった時期は一致している(普通に旅行頻度が増えたことも理由ではあると思う)。感動できない、というのは一つのサインだと聞いたことがある。これは私から、私に対する警告なのかもしれない。

まさか、カメラロールを見返してこんなことを考えるとは思わなかった。このGW、だらけるのではなく、労わってみようと思う。皆さんも、心の健康には十分気を付けて。

 

今回参考にしたパウンド型固焼きプリンのレシピはこちら

https://www.kurashiru.com/recipes/0336a359-7706-4f7b-b76a-0d437d331b4c

お題「#おうち時間今週のお題「カメラロールから1枚」

私とコーヒーと塩

 

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コーヒーといえばなにを思い浮かべますか?



皆さんはコーヒー好きですか?最近流行りのダルゴナコーヒーだったり、カフェアートだったり、エスプレッソだったり…いろんな楽しみ方があります。私の周りには自宅で焙煎したり、エスプレッソマシンを買ったりしている友人が結構いて、家で楽しく過ごす術を持っているなあと感じています。本格的なコーヒーを楽しめる場所が近くなったような気がする今日ですが、チープなコーヒーも美味しくなっているように感じます。例えばコンビニコーヒー(私はセブン派です)。そして美味しいとかなんとかいうよりも、なんだかんだ好きなのが缶コーヒー。これといった好みのメーカーがあるわけではありませんが、高速道路のパーキングに寄って、自販機で買う缶コーヒーが妙においしい。ドリップしてくれる自販機もありますが、結局缶に落ち着いてしまう。夏はアイス、冬はホット。春と秋は気分次第。無糖が多いけど、加糖も捨てきれず…。缶を開ければ思い出までよみがえりそうな幸せな香り。それ、香料だよ、と言ってしまえばそれで終わりなのですが、うまく騙されておいしく飲めるのもある意味幸せかな、と思ったりしています。

それなりにコーヒーを飲んでいる部類に入ると自負していますが、どこの店が美味しい、とか、淹れ方の工夫がうんたら、とかそんなことはさっぱりわかっていません。ちょっとだけおいしい淹れ方も勉強しましたし、その界隈では凄い人(そう紹介されたのでたぶんそうなんでしょう)に会ったこともあります。でも自分が美味しいと思うコーヒーを淹れること、の範疇をいつまでも超えないんですねこれが。趣味のなかでも、かなり日常的。土曜の午前中に業務スーパーで買ってきた豆でコーヒーを淹れて満足しているのが現状。それが悪いこととも思っていませんが、まあ、趣味と言っていいのだろうか?とは多々思う感じ。それでも、部屋に広がるコーヒーの香りだったり、淹れ方ひとつで味が変わる不思議だったりは好きだな、と思うのです。

コロナで世界の状況が一変するまでは、それなりに海外に行く機会があり、各地のコーヒー豆をお土産に買っていました。ネスレスターバックス等をかいくぐってご当地の企業が販売している商品を見つけるのは意外と難しく、世界の画一化を感じたりするわけですが、それでも探せばあるのでどうにか探す。帰ってきて淹れてみると、違いなんて、うーんなんとなく軽い?とか、ちょっと酸味強めかな?ぐらいしかわからない。でもそうか、これがあの国のコーヒーなんだな、と考える時間が好きです。朝、あわただしい中で薄切りのトーストを流し込むために淹れるのかもしれないし、昼下がりにチョコレートやクッキーと一緒にブレイクするために淹れるのかもしれない。はたまた就寝前一日の終わりに楽しむのかも…ありきたりな想像で恐縮ですが、そんなくだらないことを考えられるお土産だったりするのです。

コーヒーは世界各国、どこでも飲まれているといっても過言ではありませんが、やはり土地柄が出るもので、それぞれの楽しみ方があります。郷に入ったら郷にできるだけ従いたい人間なので、現地で試してみるのですが、いやー美味しい。しかしながら、家では冒険しないので、家でできるちょい足しには疎いという一面がありました。ミルクとかコンデンスミルクとかは美味しいのがわかるので別として、聞いたことがあるのに試さなかったアレンジが「塩」でした。しかしながら、ふとした瞬間になぜかハードルは下がるもの。それが私にとっては今日でした。

 

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ひとつまみは指3本だそうです

いつものように業務用の豆でコーヒーを淹れ、いつものように飲んでいたら、思ったより酸化が進んでいて酸っぱい。これは何かしないと飲めないな…と思ったのですが、牛乳はなく、砂糖を入れても酸味はそんなに緩和されないのは経験済み。じゃあ、塩か?と、あれだけコーヒーと塩は合うよ!という記事を読んでも試さなかったのに、なにも恐れることなく一つまみ加えていました。…美味しい。酸味が丸くなり、さらにミネラルが溶けたからなのか味わいが濃くなっている感覚でした。なるほど…これが塩コーヒー…後味すっきりで美味しい…と語彙力をどこかに置いてきたような感想ですが、こんな感じになりました。

なぜコーヒーに塩を入れると美味しくなるかというと、抑制効果(2つ以上の味覚を感じた時に、片方の味覚がもう片方の味覚を弱める働き)が生じているからのようです。塩を入れることで舌は塩味を感じるため、コーヒーの苦味や酸味を感じにくくなる、同時に塩味も苦味や酸味によって抑えられる、という仕組みだそう。おそらくこれは砂糖を加えたときも同じだと思いますが、味覚の種類が違うため感じ方が異なると推測できます。エチオピアでは2杯目は必ず塩入りだそうで、結構メジャーな飲み方。メジャーなのは知っていましたが、日本でも美味しいと思えるのか…と思った次第です。その場所で飲んだり食べたりしたときは美味しくても、お土産として買ってきて日本で食べたらなんか違った…という経験があり、その場所で食べるから美味しいものもある…塩コーヒーもその類、と勝手に思っていましたが、全然大丈夫でした。

私が塩コーヒーを初めて知ったのは辺見庸の『もの食う人びと』でした。考えてみればもう7年近く前の話です。もの食う人びとでは、バターコーヒーも登場しますが、これはまだ試せないでいます。でも塩コーヒーを経験した今は、バターコーヒーもわかるような気がしないでもないな、と思ったり。バターは高いので…まあ臨時収入があったらやってみてもいいかもしれないな、程度には興味が出てきました。

7年越しに塩コーヒーを体験した、という事実から、私は自分が思っているよりも保守的なのかもしれないな、と思いました。そしてコーヒーを人に出しても大丈夫程度に淹れられる次元から抜け出そうとしないという事実から、取り組むことすべてに向上心を持っているわけでもないんだな、とも思いました。でも、そういう趣味があるから適当な時間をちょっといい時間にできるとも思うので、そんなに気にしないで好きにコーヒーを飲もう、というのが着地点です。

私とコーヒーと塩、を並べて見えてきたのは、味覚に対しては実は保守的で、趣味と言いつつ取り組み方には幅がある「にぐち」という人間でした。皆さんはコーヒーに塩を加えて飲んだら、そこからなにを考えるのでしょう。自宅待機の暇つぶしに、塩コーヒー、ぜひお試しあれ。

お題「#おうち時間」 

~今回参考にした記事はこちら~

塩をコーヒーに入れると意外にイケる!エチオピアの伝統方法

https://hackcoffeebeans.com/salt/

辺見庸 『もの食う人びと』、角川文庫

Amazonにとびます↓)

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%82%E3%81%AE%E9%A3%9F%E3%81%86%E4%BA%BA%E3%81%B3%E3%81%A8-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%BE%BA%E8%A6%8B-%E5%BA%B8/dp/4043417012

畜産がなんで大変なのか考えてみた件

JA全中 黒毛和牛10,000円分を5,000名様にプレゼント』

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みなさんはどんなときに和牛を食べますか?

覚えている方、応募した方、いらっしゃるでしょうか。私はTwitterで知って応募しました。「発送をもって当選とします」という文言に、倍率どれくらいなのかなあ…思いながら応募したことを思い出します。

当落なんて忘れること3週間。クロネコヤマトから一通のメールが届きました。

JA全中より荷物のお届けがあります』

なんと当選。黒毛和牛ロースステーキ200g×4枚が届くことに。美味しい国産牛!!!と一気にテンションが上がりました。サーバーが落ちるほどの応募があったとニュースになっていましたので、相当な応募があったものと思います。(一説には応募者総数10万人、という話も。)無料で黒毛和牛が当たったのはとても嬉しいことなのですが、同時にこうも思いました。

『なんでこんなキャンペーンをしなければいけなかったんだろう?』

言葉が悪いようですが、私が思ったことをそのまま文字にするとこうなります。そして畜産関係のニュースを見ると、子牛価格・枝肉価格の低迷、和牛相場の急落、乳製品の供給過多、などお世辞にも明るいニュースは見当たりません。(一方で消費喚起のメッセージは消費者に比較的快く迎えられているように思います。)

なぜ、今畜産はこんなに大変なんだろう?

コロナだから、で済ましてはいけない気がしたので、調べて考えてみました。

 

 

1.JA全中「日本の畜産・酪農応援キャンペーン」

公式HPはこちら↓

https://life.ja-group.jp/cpn/chikuraku/

JA全中が最初のキャンペーンを打ち出したのは2月9日。応募に係る必須事項は、プレゼントの発送に関わる情報と、「畜産農家・酪農家への応援メッセージ」でした。当初はA賞「黒毛和牛ロースステーキ」20名、B賞「黒豚ロースしゃぶしゃぶ用」30名、C賞「国産豚ロース全国ご当地味噌漬け食べ比べ」30名、D賞「国産乳製品詰め合わせ」20名、の計100名。応募締め切りは3月末の予定でした。

しかし3月27日、JA全中はキャンペーンを大幅に拡大することを発表します。このなかで最も大きな拡大となったのがA賞「黒毛和牛ロースステーキ」でした。なんと20名を5,000名(250倍)。その他B~D賞もそれぞれ100名(3.3~5倍)へと拡大されました。締め切りも4月10日まで延長され、3月30日から4月3日までは応募ホームにたどり着くこともできないほど。はがきでの応募も受け付ける事態となりました。

まず、キャンペーンを行う理由は在庫処理。冷凍庫の容量を空けることが目的です。3月27日の時点で枠を拡大したと言うことは、その時点で冷凍庫は一杯に近かったということ。緊急事態宣言が発令されたのは4月7日のため、なぜ売りさばけるはずの牛肉が売れずに冷凍庫を圧迫していたか、という問いに対する答えは、コロナによって国内の飲食店が休業したから、だけではないことがうかがえます。

2.2019年後半から2020年3月にかけての和牛枝肉相場

 ここで和牛枝肉相場の動きをみると、11月の時点で2018年度、2017年度とは違った動きをしていることが明らかになりました。特に12月には例年2,600円/kg以上の価格をつけるはずが、2019年度は2,300円/kg付近。また、12月から1月にかけて一旦落ち込むものの、3月には回復し始める、というのが例年の動きなのに対して、2019年産は回復することなく、3月には2,000円/kgを割り込んでいます

新型コロナウイルス感染症の発生が明らかになり、ロックダウン等により人の行き来に制限が行われ始めたのは2020年になってからであることを踏まえると、1月以降の枝肉価格の落ち込みは、①訪日外国人数の減少に伴う牛肉、とくに和牛の需要停滞、②外出自粛要請による外食需要の停滞、③各国・地域の都市封鎖に伴う輸出減少(2月の牛肉輸出が前年比11%減)、の3点から発生していると考えられます。つまり、1月以降の落ち込みに関しては、コロナの影響が色濃く反映されているものと推測できます。では、11月から12月の落ち込みは一体何だったのでしょうか。

3.消費税増税

2019年10月1日に消費税が10%になりました。外食は10%なのに対して、テイクアウトは8%という変則的な増税だったため、外食産業は低迷傾向がみられ、中食産業は伸びています。このような消費者の生活防衛によって、一般消費者による和牛の消費が落ち込み、また、精肉ギフトなど需要も落ち込んだことで、牛肉というよりも和牛の消費が停滞したと考えられます。つまり、11月から12月の落ち込みは消費税増税によるものと推測されます。

4.子牛価格の高騰

和牛は子牛を家畜市場で購入し、約20ヶ月間肥育して出荷します。2020年1月に出荷する場合、購入時期は2018年4月と考えられます。2018年4月の肉用牛取引価格は約77万円/頭(平均)でした。一頭から取れる肉の量を250kgと仮定したとき、2,300円/kgでは一頭約57万円一頭当り20万円も赤字になるという試算です。子牛価格は2012年以降上昇傾向にあり、2018年から2019年にかけても75万円/頭~80万円/頭の間で推移しています。つまり、高値の時に購入した子牛を安く売っているという状況にあると言えます。枝肉価格が落ち込んでも、元が取れれば問題ないですが、現状元が取れていないため問題になっています。

※肉用牛肥育経営の収益性が悪化した場合には肉用牛肥育経営安定特別対策支援事業(牛マルキン)があるため、畜産農家セーフティーネットは存在しています。

5.まとめ

なぜ畜産はこんなに大変なのか、という問いに対して、JA全中から黒毛和牛を頂いたことをきっかけに牛肉の視点から接近してみました。私は畜産が大変な理由を以下のように理解しました。

1.新型コロナウイルス感染症感染拡大による

 ①訪日外国人数の減少に伴う需要停滞、

 ②外出自粛要請による外食需要の停滞、

 ③各国・地域の都市封鎖に伴う輸出減少

2.増税による

 ①外食産業の低迷

 ②消費者の生活防衛による需要の停滞

3.枝肉価格の低迷による赤字の発生

 

コロナ対応として国民一律10万円の給付が決定しました。決定前は「お肉券」配布という案もありました。お肉券だとしても国が負担する金額はそれなりのものであったと思いますが、国民の考えとは離れていることは間違いありません。お肉券ならお肉しか買えないわけですから、在庫処分もできて畜産農家支援にもなりいいことずくめ、という話だったんだろうと思いますが…ちょっと無理があるなあ…というのが個人的な感想です。

10万円給付して、その中からどれだけの人が、どれだけの額を日本の農業に対して払ってくれるのか考えると、悲しくなるような気もします。(自給率37%ですから…)しかし、豊洲市場ドットコムなどを活用して行き場のない食材を購入する消費者も一定数存在しており、情報拡散によってこれまで知らなかったという人にも届いているような気がします。悲観しているばかりではなく、どうしたら日常の食を支えている農家の人々を買い支えられるか考えなくては、と思った次第です。食べなければ人間死にますからね…。農業は重要な産業であると思いながらも、大きな問題を抱えていることに違いはないので、これからも考えていこうと思います。

 

ちなみに豊洲市場ドットコムのサイトはこちらです↓

https://www.tsukijiichiba.com/

 

 

~参考にした資料のURLは以下の通りです~

食品産業新聞社ニュース 「令和2年1月の需給展望 牛肉」

https://www.ssnp.co.jp/news/meat/2020/01/2020-0110-1119-14.html

JACCネット 「指定市場における子牛価格の推移」

http://jaccnet.zennoh.or.jp/d1110000000/d1110100000/d1110101000/p0642.html

 日本農業新聞 「需要減深刻 和牛過去5年で最安 2000円台割り込む」

https://www.agrinews.co.jp/p50461.html

 農畜産業振興機構 「肉用牛肥育経営安定特別対策支援事業」

https://www.alic.go.jp/c03/shinko04_000010.html

 

 

「いい」旅行にするための4つの手順

函館旅行について書く前に、私が旅行をするなかで見つけた計画のコツをまとめてみようと思います。特に大学生なりたてで、長期休暇にどこか行きたいけど計画が面倒くさい、とか、予約が大変そうで二の足を踏んでる、という人向けです。私もはじめの頃は予約の度になんか怖いと思っていたし、やること多くて面倒くさいと思っていました。でも、面倒くさいのは決めるべきことと決める順番を知らないから。最低限の決めるべきことを順序に沿って決めていけば自然と計画は立つんだ、と気づいてからはかなりスムーズに、そしてスピーディーになりました。旅行は「行きたい!」と思ってから予約完了までいかに早く進めるかが勝負。そして最低限の計画さえそれなりにしていれば、奇跡に頼らない「いい」旅行に近づくと私は思っています。最低限の計画を立てる3つの手順をみていきましょう。

※ところどころサイトの紹介がありますが、回し者ではありません。

 

①行きたい!と思った理由を書き出す

 突拍子もなく行きたい!と思うこともゼロではないですが、おおよそなにかしら理由があって行きたい!と思うもの。スカイツリーにのぼりたい、国立博物館の企画展がみたい、友達に会いたい、推しの作品がみたい、などなど色々あります。これをまずは書き出す、または声に出してみることが実は一番大切です。ぼんやりしたままだと予約まで行き着きづらくなるからです。特に文字で書き出しておくと②で楽になります。

 突拍子もなく行きたい!と思ってしまったあなた。全然良いですよ。かくいう私もそれで徳島に行きました。(この話も追々載せたいと思います。)そういう人は検索して、(例:「東京 観光」「東京 遊ぶ」「東京 イベント」)なにがあるのか調べます。そのなかでいいなと思うものを書き出してみましょう。

 

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思いついたことは全部書いてしまう!次の旅行にも繋がります

 

②拠点を決める

 行きたいと思った理由を書き出すと、旅行の目的が決まります。同時にその目的を達成できる場所も決まります。すると大体このエリアに目的が集中しているな、とか、路線図を見てここなら乗り換えが楽だなという場所が見えてきます。この時点で宿泊場所を決めてしまうのがポイント。あとから日帰りでいいや、となってもキャンセルするだけ。そのためキャンセル料がかからないサイトでまずは仮押さえします。私は某B社のサイトを使用していますが、使いやすいもので大丈夫です。決めるポイントは①駅からの距離、②価格。駅から近くて損はしません(マジで)。某B社の場合、キャンセル無料のチェックボックスにチェックを入れ、価格帯で絞り、地図上で選ぶことが出来るので、その中でいいな、と思ったところをまずは押さえます。「仮」なので、まず予約を完了してしまうことが大切です。

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とりあえず予約は押さえておきましょう





③移動方法を決める

 移動手段として考えられるのは飛行機、電車(新幹線含む)、バス、船(フェリー等)、レンタカーです。それぞれのポイントをまとめると以下のようになります。

 

飛行機*

一番身体に負担が少なく、移動時間も節約できる。ただ搭乗時間の1時間前には空港にいた方がいいので待機時間は長い。移動距離800km超ならまずは考えてみて欲しい。直前は高いが、航空会社によっては学割やU22などお得な価格設定がある場合も。一番割引がきくのは早割なので、○ヶ月先の予定ならおすすめ。

バス

なんと言っても安い。移動距離400km位で4時間、700km超で9時間の乗車時間が目安。昼夜様々な便があるので、比較サイトで検索するのがおすすめ。特に夜行バスは全く寝られないこともあるため、体力ならびに翌日の予定と要相談。

船*

発着場へのアクセスが容易なら、かなりアリな手段。様々なプランがあり自分のスタイルに合わせて選べるのが特徴。船に乗るというだけでも特別感は強まるので、思い出に乗るのも良いかもしれない。

電車(新幹線含む)*

オールマイティな移動手段。都市部ならとりあえず電車移動を考えておけば失敗は少ない。学割は運賃の2割。特急券に学割は効かないので注意。しかし往復で購入すると学割に加えて復割が効くので、最終的に4割安く買える。そのほかにも地域ごとお得なきっぷがあるので窓口に相談するのが良い。

レンタカー

一人では割高だが、二人以上になると割安になりがち。時間の融通が一番利く。地方ではレンタカーを借りることを強くおすすめする。ただの移動時間がドライブへと早変わりするので免許を持っている方にはおすすめ。ただ、安全には一番気をつかわなければならない。

 

 私は大体こんな感じのイメージを持っています。移動距離は目安ですので、そんな感じか、と思っていてください。ちなみに移動距離800kmは東京から山口、400kmは東京から大阪です。本州から九州など、海を越える場合は飛行機や高速バスが楽だったりします。

 移動手段を決めるポイントは、時間と費用と体力の3つを総合して考え、一番納得できるものにすることです。意外と比較は簡単です。出発地から目的地、と検索してしまえば、あらゆるサイトが比較してくれます。個人的に見やすいのはNAVI○IMEですが、使いやすいものを使いましょう。所要時間と費用が一覧になるので、あとは自分の体力と照らし合わせて絞り込みます。

 さて、移動手段が決まると移動時間が決まります。こうなると、日帰りという選択肢が浮かび上がります。日帰りなのか宿泊なのか、大きな分岐点です。日帰りでいける!となったら先ほどの予約はキャンセルして終了です。

 宿泊の場合ももう拠点は決まっているので、公式から予約した方が安いのかそのまま予約を継続するのかHPを比較していきます。たまにHP予約の方が特典がついていたり、割引があったりするので見てみてください。条件のいいところを見つけて、そっちにしよう!と思ったら、仮予約は新規予約を取ってから取り消す、これが鉄則です。仮予約はセーフティーネット。確実に押さえましょう。

 

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どんな旅行にしたいか、イメージも膨らませつつ決めます。
+α パックを探す

 宿泊と移動、単体で押さえるよりも一緒になったパックプランの方が安い場合もしばしば。さきほど挙げた移動手段のなかで*印がついているものはパックの提案がよく見られるものです。①~③の手順を踏んで、大体の価格が分かったら探してみることをおすすめします。羽田、伊丹など主要空港発着だったり、東海道新幹線を利用したりする場合はお得なパックが数多く提案されています。もしかしたらお目当てのチケットと一緒になったプランもあるかも知れません。新幹線の場合、日帰りパックも数多く提案されています。「東京 大阪 新幹線 パック」などと検索すると良いでしょう。パックの提供元も要チェック。聞いたことがない会社はトラブルの原因になるので、とりあえず検索することをおすすめします。

④決まった計画を記録として残す

 決まった!で安心したところで仕上げの記録。私はExcelで作っていますが、①時間、②場所、③すること、をまとめておきます。たとえばこんな感じです。

例:仙台発着 一泊二日でスカイツリーにのぼることを目的とした場合

 4月1日

 9:24   仙台駅発 

 11:24 東京駅着

     上野駅から押上駅まで移動→スカイツリーにのぼる

 19:00 ホテルチェックイン

 4月2日

 18:00 東京駅発

 19:29 仙台駅着 

 

 もうこれだけ書いておくだけで良いんです。文字として記録として残すか否かが大切です。

 

さいごに

 旅行の計画ってそんなもんか、と思って頂けたでしょうか。

①旅行の目的を決めるため、行きたい!と思った理由を書き出す

②宿泊先を仮予約!拠点を決める

③「出発地から目的地」でググって移動手段を決める 

④計画がわかるように記録しておく

 この3つの手順を踏めば旅行の計画は立ってしまいます。特に大切なのは一番最初に旅行の目的を決めること。ここが決まらないと②、③で悩んでしまいます。何で行きたいと思った!?と自分に聞いてみて、行きたいと思ったその瞬発力で決めてしまいましょう。ちょっとざっくり過ぎるところもあるので、今後掲載する実際の旅行談も参考にしてください。

地方でそこそこ楽しいのでブログを書いてみることにした

みなさんはじめまして。「にぐち」といいます。

ふと思い立って、ブログを始めることにしました。どこかで見つけて、読みに来てくださった皆さん、ありがとうございます。たま~に更新するので、遊びに来てください。

 

「地方もそこそこ楽しいのでブログを書いてみることにした」というタイトルから察せられるとおり、都市と地方、格差はいろいろありますが、なんだかんだ楽しくやってるよって人間です。趣味は旅行と観劇、毎朝のルーティンはYouTubeで推しが出ている作品のプロモーション動画を見ること、身分は学生です。今考えている内容は「○○から××まで行く方法何選」、「目的別:学生旅におすすめの旅行先」、「○○を観てきたので感想書かせて」、「ストレスに効く推しの力」とかそんな感じです。こんな生活をしてるやつも日本にはいるんだなー、へぇーくらいの感覚でぜひお願いします。旅行録については、これまで立てた旅程と実際の行程をそれぞれ公開したいと思ってます。みなさんのこれからに役立てば嬉しいです。

 

とはいってもブログ初心者なので、好き勝手書くことになると思いますが、それはまずいよ、とかこういうこと書いて、などありましたら教えて頂ければ嬉しいです。

とりあえず、次回は「一人函館旅行」について書いてみたいと思います。一人旅、最近はやってますが、女性一人は危ないんじゃないかとか、自分は大丈夫だと思っていても周りに心配されたりとか、なんで一人なの?とか言われたり…私も経験しました…うるせえよ!って話なのですが、確かに危ないのは事実だし、気をつけることもゼロではないので、そこんとこも書きたいな、と!

では次回またお会いしましょう!

 

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